研究内容
Thesis
Thesis
そこでCYを減量して一部をVP-16に置き換えるVP/rCY/TBIを前処置として使用する「心保護regimen」を使用して骨髄破壊的移植を行った成績の報告です。
移植の早期の心毒性の発生率、非再発死亡率は一般的なCY/TBIレジメンと比較しても変わらないという報告です。
さらに、移植後7日目までのBNP値が180 pg/mlを超えた場合、全生存率が悪くなる(ハザード比 5.3)という結果も示されています。
ここでは、HCT-CIが、原疾患のリスクが低い場合には有用であるが、高い場合にはその有用性が低くなることを示しました。
移植後1年生存者における後期イベントの発症には関与しないことを示しました。
移植前のフェリチン値を鉄過剰症のマーカーとして調べたところ、600ng/ml程度の軽度高値であっても移植成績に関与していることがわかりました。
鉄過剰症非再発死亡率に強く影響し、特に骨髄非破壊的移植の際にその影響は大きいことが示されました。
LONIPCは慢性GVHDの一症状として出現し、生命予後を悪くします。
しかし、原疾患の再発率はLONIPCを生じている患者の方が低くなる事がわかります。
この論文では、発症後早期のステロイドの投与が、呼吸器症状と予後の改善に重要であることを示しました。
移植後、軽度のものを含めると、腎機能障害は75%以上の患者に生じます。
腎機能障害の発症には、移植前のco-morbidity-indexが、深く関与していることがわかりました。
また、腎機能障害が軽度であれば、移植後の生存率に対する影響は少ないが、高度の腎機能症が生じた場合には、非再発死亡のリスクを6倍に高める事がわかりました。
GVHDが増加することによる非再発死亡が増加することがその原因です。
この論文では、その影響が諸外国で報告されているものよりも大きいこと、また、その影響は疾患のリスクが低いときのみにみられるが、リスクが高いときには見られないということを報告しています。
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